確か私が幼稚園に上がる前、3歳頃のことだったと思います。
当時私が住んでいたのは、米軍基地の第5空軍司令部がある町でした。私の父は中学の教師であると同時に貸家業を営んでおり、父が所有する敷地内には家が3軒建っていました。1軒は、私たち家族が住んでいる家。もう1軒はアメリカ軍の軍曹一家であるフランシス家で、お兄ちゃんのマークと、同い年のサミーナ(大の仲良し) 、そして妹のパリスという家族構成。もう一軒が牧師一家でした。毎日のように遊ぶのは、近所に住む幼なじみの親戚のみーちゃん(たぶん今思えば初恋の相手)と、アメリカ人の子供たちです。話す言葉は当然日本語ですが、夕方になるとアメリカ国家が流れ、それが帰宅時間の合図でした。お兄ちゃんのマイクは大のおにぎり好きで、私の母に 「ママさんおにぎり」と言って食べていたのを今でも覚えています。
ある日、牧師一家の家か、サミーナの家だったか、どちらかのお家に遊びに行った時のこと。テレビで漫画を見ていると、スピーカーから流れてくる会話は英語でした。「外人の家はテレビも英語なんだ」と驚きました。多分、有線の放送だったのでしょう。そして、忘れもしない瞬間が訪れました。みんなと遊んでいると、ママさんが何かをクルクル回しながら、白いものを作って出してくれました。それは、甘くてクリーミーな手作りアイスクリームだったのです!
オーっ!と、あまりの美味しさにびっくりしたのをいまだに覚えています。この瞬間が、私と本物の手づくりアイスクリームとの出会いでした。私の原点です。
私の家には、当時はまだ珍しかったミキサーがあったので、それからというもの私は凍らせたイチゴやバナナ、桃缶と牛乳、お砂糖、ヨーグルト、バニラエッセンスなどを組み合わせてシェークを作っては飲むようになったのです。
思い返せば、これが私のアイスクリーム創りの始まりでした。
三つ子の魂100まで、ですね。私は120歳まで働くつもりですけどね。